ふとんのお悩み解決室
ふとんのお悩み解決室
【お任せください!】もう寿命?と思ったら
考えてみる羽毛布団のリフォーム(打ち直し)!
軽くてふわふわで温かな羽毛布団。ですが、長年愛用している間に何だかへたってきた、汚れが目立ってきた、という方も多いのではないでしょうか。そうなると、「もう寿命だから買い換えよう」と考えがちですが、ちょっと待った!確かに寿命の場合もありますが、羽毛布団はリフォーム(打ち直し)によって元の“保温力”や“かさ”を取り戻せる寝具なんです。今回はそんな羽毛布団のリフォーム(打ち直し)についてご紹介します。※以下、「リフォーム(打ち直し)」を「リフォーム」と表記
フトンショップみやかわ
宮川 諭
1953年創業、青森県青森市にある「フトンショップみやかわ」の店主。親切丁寧な接客とアフターフォローで地域の方々に慕われる同店では、羽毛布団のリフォーム実績も多数。
羽毛布団がよみがえる?羽毛布団のリフォームとは。
まず、羽毛布団のリフォームとは、どういう意味でしょうか?
「寿命なのかもしれない」と思った際に一度考えていただきたいのが、リフォーム。リフォームでは、傷んだ側生地を取り換えるだけではなく、中身の羽毛を取り出して検品。チリやホコリ、劣化した羽毛を取り除いた後、残りの羽毛自体をきれいに洗浄した上で、必要に応じて新しい羽毛を足しながら仕立て直していきます。
特に西川チェーンのお店では、専門的な知識と確かなスキルを持った、日本睡眠化学研究所認定の「羽毛布団診断士」が対応するので安心。羽毛布団の状態を、診断し、お客様に合った必要なリフォームプランをご提案します。
クリーニングとは違うのですか?
クリーニングとは、専用の洗浄機で丸洗いやドライクリーニングすること。最適な洗剤を調合し、中まで浸透させる方法で洗い、熱風乾燥で仕上げます。臭いが気になる、側生地の色あせや汚れが目立つだけなら、クリーニングをおすすめしています。
その一方、中の羽毛自体が傷んでいることにより、かさが減ったり機能性が低下していたりする状態なら、きちんと仕立て直すリフォームが必要になります。
リフォームのタイミングについて、具体的な目安はありますか?
「羽毛のかさが減ってへたってきた」、「温かさを感じなくなってきた」、「羽毛の隙間や片寄りが出てきた」、「ふとんから羽毛が飛び出してきた」等々、見た目や使用感への何らかの変化を感じた時には、リフォームが必要なサインだと考えてください。
時期については、お使いの羽毛布団の素材や使用頻度、状況にもよるので一概には言えませんが、大体使い始めてから3~5年後に1回目のクリーニング、7~8年後から側生地が傷んでくるため、リフォーム検討時期に入るかと思います。あくまでおおよその目安ですが。
ただ、ご自身ではなかなか分かりづらい、気づかない部分も多いと思いますので、そういう場合はお気軽に当店のような西川チェーンのお店にご相談ください。クリーニングでもリフォームでも、「羽毛布団診断士」が最適なタイミングをお知らせします。
リフォームをするメリットは何ですか?
多くの場合、買い替えるよりも安い費用で、購入時に限りなく近い状態まで、ボリューム感や保温性を甦らせることができます。
また、羽毛の選別・洗浄を経て全体のかさが減った場合、新たな羽毛を補充するのではなく、そのままの量の羽毛で用途替えをすることも可能。例えば、厚掛けだった羽毛布団を薄手の肌掛け用の羽毛布団にしたり、ダブルサイズだったものをシングルサイズに変更したり。リフォームをきっかけに、より現在のライフスタイルに合った羽毛布団に生まれ変わらせることができるかもしれません。
それに、一度購入された羽毛布団をメンテナンスしながら長く使い続けるということは、環境に優しい行動でもあります。
リフォームを依頼するのに適した時期はいつになりますか?
また、依頼後はどれぐらいの期間が必要になりますか?
一年中受け付けていますが、お申し込みが多いのはやはり、温かくなって羽毛布団が不要になる春です。
期間については、混雑具合にもよりますが、約1か月。リフォーム工場では、いくつもの羽毛布団をひとまとめに同時並行で処理していくのではなく、一枚一枚独立した工程で仕上げます。一つの羽毛布団の工程を最初から最後まできっちりと仕上げてから、また次の羽毛布団に取り掛かる・・・・・・といった工程の都合上、お申し込みが集中する時期には、もう少しお待ちいただく期間が必要になるかと思われます。
まずは店頭で羽毛布団の状態をチェック。
お店でのリフォーム受け付けについて教えてください。
当店ではまず、店頭で羽毛布団の一部を解体し、中に入っている羽毛を2グラム程採取。西川特製の専用測定器に入れて、かさ高を測ります。筒状の透明な測定器なので、羽毛の汚れ具合、傷み具合は一目瞭然。
ちなみに、傷んだ羽毛は丸まって玉状になるのですが、私たちはこれを「玉ダウン」と呼んでいます。へたりの原因は、この「玉ダウン」です。
測定によりリフォームが必要と判断されると、側生地の種類や羽毛のグレードなど細かく説明します。その内容に基づき、御見積もりをお作りします。
リフォーム内容が確定したら、お預かりした羽毛布団は専用工場に送り、具体的なリフォーム工程に入っていきます。
羽毛の診断にあたり、特別な資格などはあるのでしょうか?
はい!「羽毛布団診断士」という資格を持った専門スタッフが対応しますので、ご安心ください。
また、店頭での診断作業については、当店の場合は必ずお客さまの目の前で行うようにしています。たまにご要望があってご自宅まで羽毛布団の回収に伺うと、「あとは任せるから適当にやっておいて」と言われるのですが、「信用してくださって有難いのは山々ですが、是非一緒に見てください」と、布団と一緒にお客様も車に乗せてお店にお連れするんですよ(笑)。
お店に持って来ていただいたお客さまに対しても、「お時間あれば一緒に見てください」と、その場ですぐ診断を行うようにしています。
面倒くさいと思われるかもしれませんが、やはり実際にご自身の目で確かめていただくのが一番なので、できる限りそうさせていただいています。
診断のみお願いすることも可能なのでしょうか?
もちろん。お気軽にご相談ください。また、測定器で羽毛の状態を確認し、診断の結果汚れが目立つ状況のみでしたらリフォームではなくクリーニングをおすすめします。また、「襟元や足元だけ羽毛を足してほしい」ということであれば、店頭にある専用の羽毛充てん機で手早く対応します。
リフォームするか迷ったら、まずはお店に相談を。
リフォームに適した羽毛布団、適さない羽毛布団はありますか?
元々あまり質の良くない羽毛を使って作られた羽毛布団はリフォームに適さないと言えます。というのも、最初の羽毛選定の時点で、ほとんど取り除かれて無くなってしまうからです。そうなると、新しい羽毛布団をご購入いただいたほうが快適ですし、費用的にもお得になる場合の方が多いと思います。
リフォームすれば、何回でも羽毛布団は復活しますか?
ご依頼いただければ対応はさせていただきますが、正直リフォームの繰り返しはおすすめできません。羽毛を継ぎ足し、継ぎ足ししていくと、どうしても全体的にゴワゴワした感じになっていってしまうので。
また、新たな羽毛を足すことで、下がっていた保温性を上げることはできますが、通気性は下がっていきます。そういった面でも、大掛かりなリフォームは一度限りが適切かと思います。
羽毛布団のリフォームについては皆さんあまり馴染みがないため、まだまだ疑問や不安はお持ちかと思います。まずはお近くの西川チェーンのお店に、お気軽にご相談ください。
羽毛布団を、新品同様に仕立て直すということです。
羽毛布団は長年使用すると、外の側生地はもちろん、中に入っている羽毛も汚れて、傷んでしまいます。この状態を“寿命”と捉えてご相談を頂くことがあります。