滋賀県/近江八幡市
こんなお店が近所にあったら嬉しい!
惣菜店『三松』で心もお腹もいっぱいに。
街のふとん屋さんが近所の美味しいグルメ店を紹介する『おいちい』。三松」です。
今回は西川甚五郎本店のある滋賀県の近江八幡市のおすすめグルメを前編と後編に分けて、 取材スタッフがご紹介します。後編は「
八幡堀・日牟禮八幡宮のすぐ近く
歴史の風格を感じる路地裏の建物
近江八幡の定番な見どころに、八幡堀と日牟禮(ひむれ)八幡宮があります。
場所は、JR琵琶湖線 「近江八幡駅」からバス で7分ぐらい。
大きな通りは観光客で賑わっていますが、一歩小さな通りに入ると、平日は静かそのもの。そんな一角に、観光客目当てのお土産屋さんとは一味違ったお店があります。それが『三松』です。
通りからみる建物も、歴史の風格を感じます。
お店の入り口付近には新鮮な野菜が並びます。
初めて訪れる方は「ここは八百屋か?」と一瞬思われるかもしれませんが、それもそのはず。惣菜店になる前は八百屋さんだったのです。店内にも野菜や魚介類が売られているのはその名残です。
お店に入ると、大皿に盛られた色とりどりのお惣菜がお出迎え。
郷土料理の赤こんにゃくや佃煮、洋風パスタやサラダなど、和洋折衷さまざまな料理が並び、見ているだけで食欲を刺激します。
右が四代目店主の北村 猛さん。以前はフレンチレストランのシェフでしたが、2005年にご両親からお店を引き継ぎ、それを機に、お店を八百屋から惣菜店として新たにスタートさせました。
惣菜店として再スタートしてからも、店内はいつも常連のお客さまで一杯。
「今日は体調が優れなくて」というお客さまには、ご自宅へ配達することも。
そうした心遣いがあっての繁盛なのでしょう。
雑誌「d design travel SHIGA(2015年発行)」に掲載されてからは、遠方からはるばる来られるお客さまも増えたとか。
おすすめの惣菜を説明する父・建一さん。試食といって、バンバン手のひらにお惣菜を載せてくれます。もう恐縮してしまうほど(笑)。
店内の隣には、その場でお食事できるスペースがあります。希望の方は、店員さんにその旨を伝えると、イートイン用の取り皿を用意して貰えます。
料金は取り皿へ取る重量によって異なります。白いご飯が要るかどうか聞かれるので、迷わずいただきましょう。
さらに、子連れでの食事には嬉しい子供用のカトラリーや椅子もあり!
子どもを連れて旅行の際、観光地での食事には気を使うことが多いので、非常に嬉しい心遣い。
どれもこれも美味しそう!
目移りしてしまう「郷土料理」と洋風「お惣菜」
取材当日、お惣菜が並んだメインテーブルがこちら。
メインテーブルの両隣には、さらに2つのテーブルがあり、豊富なメニューからお惣菜を選ぶことができます。
その日の仕入れによってメニューが変わるので、毎日訪れても飽きることがありません。
早速、豊富な種類のお惣菜の中から選んでいきます。
まずは近江八幡の定番的な郷土料理「赤こんにゃく」をチョイス。
取り皿へ移そうとトングで持ち上げると、お出汁の香りがほんのりと鼻をくすぐります。
次は、琵琶湖で取れた小魚の佃煮を。
旅するところで地元の食材を使った郷土料理が食べられるのは嬉しいですよね。この佃煮は本当に美味しくて、お酒が好きな人には堪らないと思います。
こちらは洋風パスタ。
こんな惣菜が並ぶのも、フランス料理を学んだ店主ならでは。
最後に選んだのはデザートのプリン。
たまたま店内にいらっしゃったご婦人に「これ美味しいから」と全力でおすすめされました(笑)。こちらのプリンもお店の手作りだそう。
時間が経つのも忘れ、楽しみながらお惣菜を選びました。それがこちら。あとから熱々の白いご飯とサービスのお茶が運ばれてきます。
どれもこれも美味しそうで、選ぶのにはとても苦労しました。これは何度も通いたくなりますね。
※通常は取り皿ひとつの鉢の中に、お惣菜は1種類のみのルールとなっています。(つまりトレイ奥の変形クローバー型の白いお皿には4つ鉢があるので4種類、手前の皿には1種類というのがルールです。写真では手前の皿に焼き鯖とワカサギのフライが入ってますが、これは本来アウトです。)今回は取材のためにご好意で特別な採り方を許可頂いておりますので、ご注意ください。
待ちに待っての「いただきます!」。
食べてみての感想は、「素材の味がしっかりと伝わってくるなぁ」という感じ。食材が新鮮だからこそ、言えることで、そう考えると、あらためて贅沢な味だと考えさせられます。
食べるお惣菜の種類は違っても、それだけは共通して感じました。
調理中の父・建一さん。一つひとつ愛情をこめて、丁寧に揚げているのが伝わってきます。
この贅沢な味は、新鮮な食材と愛情こめた調理によって生み出されているんですね。
仕上げはデザートのプリン。常連のお客さまに全力でおすすめされたものです。
常連さんの言うことを聞いて良かった♪
絹ごし豆腐のように、きめ細かく滑らかな舌触り。それでいて卵の味がちゃんと伝わってきます。まさしく、「ソフトプリン」という名前通り。
家の近くにあれば、このプリンを買うためだけに通いたいと思いました。そう言えば、さっきのご婦人も「プリンは売り切れになることが多いのよ」とおっしゃっていました。
地域と共に生きる『三松』には取材中も、常連のお客さまが途切れることなくいらっしゃっていました。
そして、取材中の私たちに「ぜんぶ美味しいから、毎日来てしまう」と笑顔で声をかけてくれました。
お客さまに愛され、お客さまのために美味しいものを作る、そんな素敵なサイクルがここにあります。
観光地のお食事というと、ご褒美的なものばかりに目を奪われてしまいますが、『三松』のように地元の方と触れあいながら、地元の食材を使った家庭料理を楽しめるお店も良いものだと実感しました。
純粋に近江の郷土料理を味わいたいという方はもちろん、子供連れでゆっくりと時間を過ごしたいファミリーにもおすすめです。
八幡堀・日牟禮八幡宮を訪れる際は、是非立ち寄ることをおすすめします。地元の方と触れ合い、愛情こもった家庭料理で、心もお腹も一杯になりますよ。
「惣菜店 三松」
〒523-0848 滋賀県近江八幡市永原町中11番地
0748-32-2983
11:00~18:00/定休日:土・日
あり(5台)