西川チェーンって
どんな店？

出店経緯について教えてください。

店長独立する前、新宿や大井町の店舗で働いており、都心ならではの可能性を感じていました。渋谷は特に若い世代のお客様が多く、埼玉・千葉・神奈川の方も「通勤途中で見かけて気になっていました」と、よく来店してくださいます。ターゲット層に合わせて、店づくりにもこだわりました。元々ピロースタンドはカフェをイメージしたブランドということもあり、外装と内装のカフェらしさは外せません。それ以外にも、若い世代のお客様も入りやすく、居心地のいい雰囲気になるよう、スタッフと話し合ってインテリアを決めていきました。また、カフェの雰囲気に馴染むように、私たちスタッフが着る制服も新しくデザインしたんです。ポロシャツは白と緑の2種類あって、マスクにロゴも入れています。このアイデアは女性スタッフのおかげですね(笑)。

SNSはどのように運用されていますか？

店長若い世代がメインターゲットということもあり、SNSは欠かせないツールです。こちらもありがたいことにSNSに強いスタッフがおりまして、InstagramやTwitterなどでは検索されやすい「オーダーメイド枕」というワードを意識しながらコツコツ投稿しています。私はアナログ派なのですが、「写真だけではもう弱い。簡単でいいから動画もアップした方がいいですよ」と、スタッフのアドバイスに従ってGoogleマップには動画を掲載したり。最近では、来店された方が感想をGoogleクチコミページに書いてくださっていて、それを見て新しいお客様が来店してくださることも増えています。

来店されるお客様は
どんな悩みを持っていますか？

店長デスクワークの方が多いので、首肩、背中、腰の痛み。コロナ禍の影響でテレワークになってから、座った状態が長くなって寝ても疲れが取れないという悩みも増えていますね。それから、明確な悩みがなくても「眠りの質を改善したい」という意思をもった方が来店される頻度も多くなっている気がします。土地柄、スタジオが近くにあるのか芸能の仕事をされている方が通りがかりに来店されることもあるんです。その方も「特別不調に悩んでいる訳ではないんだけど、毎日の積み重ねで朝起きたときすっきりしないんです」という来店理由でした。数年前と比べても、「寝具選び＝自分への投資」という認知が広がってきているのではないでしょうか。

おすすめ商品は？

店長西川の美容睡眠ブランド「newmine（ニューミン）」は、客層とマッチしていることもあり全商品を導入しています。オーダーメイド枕を購入されたお客様も、自分用・ギフト併せて「肌・髪にやさしいタオル」などをよく購入されますね。ちなみに、私の妻と娘もこのバスタオルの愛用者です(笑)。やはり、女性にとって美容と睡眠ってつながっているんですね。実際、睡眠の質は美容や健康と切っても切れない関係ですから。

店長が寝具業界に興味を持ったきっかけは何ですか？

店長私は元々、人と触れることでつらい体を手当てできるというところに魅力を感じ、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師の国家資格を取って働いていました。ある時、同じ悩みを持っていても治りが早い人とそうでない人がいることに気付いたんです。そこで治りの早かった人の「寝具にこだわっているんだよ」という一言で、俄然寝具に興味を持ちまして、大井町のピロースタンドでアルバイトさせていただくことにしたんです。昔から気になったことは自分で確かめたくなる性格で(笑)。
一方、私は入店するまで、ペラペラのせんべい布団を使っていたからか仰向けで眠れない状態だったんです。よく寝違えていたんですが、それが普通だと思っていた。他の人と眠りについて話す機会もそうそうないし、腰が痛くてもそういうものだと諦めていたんです。しかし入店後、西川製の整圧マットレスとオーダーメイド枕に変えてから、朝起きたときの痛みがすっかりなくなりました。そういう実体験があるともう戻れない。睡眠に悩むお客様の気持ちも分かるので、寝具の大切さをもっと伝えたくなりました。そこから10年ほど働かせていただいて、独立を決めたんです。

鍼灸師と寝具店での仕事の
共通点などはあるのでしょうか？

店長鍼灸院・寝具店、それぞれ来店される方の悩みの本質はほぼ変わりません。働いてみて分かったのですが、自分の体に向き合って、自分に合うものにお金をかければ、ちゃんと結果が返ってくるというのは鍼灸も寝具も同じだと思いました。また、まずはお客様の悩みを聞くところからスタートするのも大きな共通点ですね。やはり最初から心を開ける方ばかりではないですから、取り繕ってしまうこともあると思うんです。でも、時間をかけて丁寧に聞いていくことで、本当の課題が見えてきます。例えば、お客様が予め購入する商品をネットで決めて来店されたとしても、本当に自分の悩みを解決できる商品なのかは別の問題で。とりあえず枕だと思っていても、マットレスが合っていないケースも少なくありません。やはり多角的にヒアリングを重ねることで、悩みの根本を突き詰めることが大事です。ワンランク上を求めるお客様に向き合って、正しいものを提案したいと思って働いています。

今後、寝具業界は
どのようになると予想していますか？

店長コロナ禍を経て、人々の価値観も変わりつつあると思うんですが、結局のところ対面でのコミュニケーションがそのままオンラインに置き換わることはないんじゃないでしょうか。当店をはじめ西川チェーンは、お客様の生の声を聴いて提案するマネジメント方式の販売です。どれだけ情報化が進んでも、自分に合ったものを見極めるのは難しく、「やっぱり直接来て良かった」と、お客様の方から言葉をいただくことも多いんですよ。最新のビッグデータも大事ですが、西川は450年以上も人々の生の声を商品づくりに生かしてきました。圧倒的な信頼と実績があります。だから私たちも自信を持ってお客様に提案できるんです。

店舗として、
今後の展望をお聞かせください。

店長私たちが目指しているのは、「寺子屋」や「町医者」のような存在になること。お医者様にかかる前に来店したくなるようなイメージです。例えば、女性はライフステージやホルモンバランスの変化で体質や体型が変わってきます。男性だって、年齢や職業の変化によって、何年か前に購入した寝具が合わなくなることも。今は寝具を中心とした提案ですが、将来的には鍼灸師として培った視点を生かして、もっとお客様の身体をトータルでサポートしていきたいと考えています。