西川チェーンって
どんな店?

睡眠に悩むすべての人々の“駆け込み寺”であり続ける
『眠り屋 よねはら』

お店のある交野市は、大阪・京都・奈良の県境に位置する緑豊かな田園都市。しかし近隣地域だけでなく、関東地方や果ては沖縄など遠方からのお客様が来店されるという「眠り屋よねはら」。わずか12坪というコンパクトな面積に最小限の品揃え。それでも「替えの利かないお店」として支持を集める理由に迫ります。

眠り屋 よねはら
代表取締役社長 米原信夫店長 前田顕輝

眠り屋 よねはら
住所
〒576-0022
大阪府交野市藤が尾3丁目3-1
電話番号
072-892-2167
営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜

睡眠に悩み、病院に行く人は2%。
来店されたお客様には、布団ではなく「快眠」を提供する

創業から現在までの歴史を教えてください。

社長当店は1956年に創業しました。祖父が村会議員をしており、地域活性化のために新聞販売や花、肉屋などさまざまな小売店を集めていたのですが、ふとん屋だけがなかったため「米原ふとん店」を設立。当時は、布団綿の打ち直しと仕立替えが主でした。私の父はサラリーマンをしながら店の手伝いをしていたのですが、店の繫盛に伴い本格的に母と二人三脚で手作りふとん職人の道へ。私は小学生の頃から、小遣い稼ぎのために担当エリアを回る日々でしたので、当時から将来は店を継ぐと決めていました。2007年、先代(父)が亡くなる半年前に、屋号を「米原ふとん店」から「眠り屋よねはら」に変更するようお願いし、地域の生活者の皆様に快適な眠りを提供できるよう、店を改装したんです。

存在感のある梁が趣深く、落ち着く店内。
店内には、快眠にまつわるPOPが踊る。

前田店長が入店されたきっかけを
教えてください。

店長社長の娘である妻との結婚で、寝具や睡眠に対する意識が高まったことがきっかけです。入店するまでは、ずっと飲食業界で働いていました。その仕事をしていた頃は、休みが少ない不規則な生活で、20代前半なのに2か月に一度は高熱を出すような虚弱体質だったんです。しかし、社長が結婚祝いに夫婦の布団を揃えてくださってから、体調を崩さなくなったことに気付きました。これまで寝具にこだわったことがなく、自分はどこでも眠れると思っていましたが、以前と比べても夜は熟睡できるし、昼間に眠くなることもなくなりました。そんな実体験から寝具に興味を持ち、「眠り屋」という仕事内容を聞いているうちに、その仕事内容や在り方に感銘を受け、転職を決意しました。西川直営店で2年間修行し、復職してからは、当店を頼ってくださるお客様への安心感を絶やさず、自分と同世代やもっと若い世代にも眠りの大切さを知っていただきたいという思いで働いています。

社長が「100点の接客」と太鼓判を押す前田店長は、睡眠環境・寝具指導士®の資格も取得。

この地域ならではの特徴と、それらに対して行われる取り組みを教えてください。

店長お客様のお住まいは交野市や枚方市が多く、次いで周辺の寝屋川市や四条畷市から多くいらっしゃいます。高速道路が通っており大阪市内や京都、奈良など車でのアクセスはしやすいものの、電車でのご来店の場合は最寄り駅から少し遠いので、送迎サービスを行っています。高齢の方も多いため、クリーニングやリフォームといったおふとんのメンテナンスの際には玄関先や2階3階、どこでも「取りに行って持って行く」というサービスを徹底しています。

社長当店は遠方からのお客様も多いんです。以前、沖縄からオーダーメイド枕とマットレスを作りに来られた方は、20年もの間不眠に悩み、ネットで検索して最終的に当店にたどり着いたそうです。ほかにも、常連のお客様で関東に引っ越された後も新幹線に乗って、ここまで買いに来てくれる方も……当店としては嬉しいですが、それはまだまだ全国的に快眠を提供できていないということなので、複雑な気分ですよね。西川が掲げる「日本列島快眠計画」を、チェーン全体が一枚岩として実現していかなければと思います。データでは、眠れないという理由で病院に行く人は2%にすぎません。残りの98%はどこに行けばいいか分かっていないんです。我々、寝具店はそこに対する受け皿になるべきだなと思いますね。

体圧分散測定ができるマットレス。データはモニターで確認できる。
測定器を背面に当て、姿勢判定をしてもらえる。
姿勢は主に6タイプに分けられるそう。

買っていただいてからがご縁のはじまり。
10年後も「買ってよかった」と思ってもらえる接客を

お店の接客方針を教えてください。

社長お客様は不安を抱えていらっしゃるので、時間が許す限り親身になって答えること。インターネットでは情報が錯綜していますが、「自分はどうなのか?」という答えは検索して見つかることはありません。さまざまな悩みがありますが、当店が駆け込み寺になったらいいなと思っています。例えば、枕の購入を目的に来店されたお客様がいても、ヒアリングの結果、枕よりもマットレスとライフスタイルの改善が必要な場合もあります。そのようなことを見極め、正しくお伝えするために、日々勉強しています。だから当店では接客の際に「今日は快眠の豆知識も一緒にお持ち帰りくださいね」と、必ず伝えているんです。そういった話がお客様とのつながりになっており、「買って終わり」「売って終わり」ではなく、お買い上げいただいてからがご縁のはじまりだと考えています。

店長私たちは睡眠や身体の不調に関するお悩み解決するためのお店であり、たまたまその先に寝具があるというだけですので「ふとん屋」と思っておりません。寝具は毎晩使うもので、時間が経ってからお客様から評価いただけるのは他の仕事にはない面白さであり、難しい点ですね。だから購入時にお客様から感謝いただいても、自分にプレッシャーかけるためにも「10年後にもよかったと思っていただけるようにがんばります」と、伝えるんです。

社長お客様にヒアリングした内容は、すべて個人ごとのカルテにして保管しています。おそらく3000人は名前と顔が一致しますよ。昨日も、15年ぶりの来店となるお客様がいらっしゃったのですが、マスクをされていてもすぐに分かりました。

ヒアリング内容は、個人カルテとして個別に保管されている。
最適な高さを計測した上で好みの質感の素材を選べるオーダーメイド枕は、店舗で丁寧に作っていく。
枕の素材は、種類や配合数を細かに記録。

販売する商品へのこだわりを
お聞かせください。

社長当店は12坪の面積で営業しており、寝具店の中では日本最小じゃないかと思います。そして必要とされるものだけを仕入れるため、商品数も少ないです。それは「こだわりの眠り屋」という暖簾の言葉通り、責任の持てない商品は売らないと決めているからです。お客様のお悩みを解決でき、快適な眠りを通して幸せになっていただける商品だけお勧めします。在庫を抱えると、売ることが目的になってしまいます。そんなことでは本当のパーソナルフィットは叶えられません。昔は、当店も多くの商品を積み上げていたことがありました。しかし、先代から「ウチの目玉商品は信用や!お前自身や!商品ではなく、お前を売り込め!」と言われてからは、お客様との心の通った対話がサービスの神髄であるという風に意識が180度変わりました。

心理学にも精通する社長。睡眠の知識と親身なアドバイスで、遠方から足を運ぶお客様が絶えない。
夫婦円満の秘訣は「会話」と語る社長。年に一度のハワイ旅行が二人の約束だそう。

構成商品の90%が西川製とのことですが、その理由は?

社長やはり品質がずば抜けているからです。睡眠科学研究所に裏付けされたデータから製作される商品なので信頼できますし、それを品質管理室が常にチェックしているんです。そんなものづくりへの姿勢が素晴らしいと思いますし、その苦労を知っているからこそ、商品の魅力をお客様に伝えるのが私たちの役割だと考えています。

積み上げ陳列ではなく、厳選された商品のみ販売している。

睡眠に悩むすべての潜在顧客に求められる店でありたい

インターネットで積極的な情報発信をされていますが、その反響はいかがですか?

専務交野市は8万人弱の人口のため、遠方からの来店も促進すべく、WEBサイトでは特に「枕やマットレスにこだわっている店・人」の部分を強調し、物理的な距離をかけてでも「行きたい」と思っていただけるように意識しています。社長が13年前から書いているブログでの情報発信は継続しつつ、近年はSNSでの発信にも挑戦しています。専用フォームやLINEの活用により、今まで電話を億劫に感じていたお客様も、予約や問い合わせを気軽にしていただきやすくなったように思います。また、事前予約が増えたことで、混雑を避けた感染症拡大防止の観点だけでなく、お客様にとっては一人ひとりに割ける時間が長くなり、とても有益だと思います。
若いお客様の来店が増えましたが、睡眠に対する悩みは老若男女が抱えるものなので、すべてのお客様を大切にしたいという気持ちを持ち続け、世代ごとにマッチするツールを使い分けてアプローチしていくつもりです。

2~3か月ごとに発行する「よねはら新聞」は現在36号。クリーニング工場でのレポートなど興味深い情報が満載。
事前の来店予約に加えて、店頭でのアルコール消毒を設置し感染症対策を実施。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

店長これからの時代、「本物志向」が今よりも先鋭化していくと予想しています。来店されるお客様は、自ら情報収集し吟味した上で当店を選んでくださっている方も多く、そんな本物へのニーズにマッチする店であり続けないといけません。
一方で、自分の睡眠について漠然とした悩みを抱えつつも「どこでどう相談したらいいかわからない」という方も多くいらっしゃると思います。そんな方々が迷わず、足を運んでもらえるような店になるために情報発信にも注力していきたいですね。また、そんなお店が地域に必ずあるという状態が実現すれば、日本はもっと明るくなると思います。人々に必要とされる事業だからこそ、発展のために今から一歩ずつ進めていきたいですね。

眠り屋 よねはら

  • 住所 〒576-0022
    大阪府交野市藤が尾3丁目3-1
  • 電話番号 072-892-2167
  • 営業時間 10:00~19:00
  • 定休日 水曜

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