国民病とも言われる「腰痛」ですが、病院で診察をして原因が見つかるのは腰痛患者の15%に留まります。残りの85%はレントゲンなどでも原因が見つけられないのが現実です。なかなか見つからない原因の一つとして挙げられるのが「血行障害」です。筋肉と頸椎の軟骨が血流を阻害し、硬直するために、筋肉のコリに繋がり「腰が痛い」「ダルい」という症状を引き起こしてしまいます。
睡眠時、人は長時間同じような姿勢をとっています。日中の活動時より動きが少なくなるので、同じ部位に体重がかかり続け、血行障害が引き起こされます。この血行障害が、腰などの痛みやダルさを引き起こす原因に繋がります。そのような状態を避けるために、人は無意識に「寝返り」を打っています。血液の循環を促し、筋肉が凝らないようにしているのです。他にも、熱放散、除湿換気などの効果もあるため、「寝返り」がしやすいことは、良い敷き寝具の条件と言えます。
全身の一部、特に腰まわりに負荷が集中せず、体圧がバランスよく分散されている状態と言えます。また、人は一晩に約20~30回の「寝返り」を打つことで、腰などの痛みやダルさの原因となる血行障害を防いでいます。そのため柔らかすぎる、硬すぎるなど、布団やマットレスが理由で自然な寝姿勢を保持できないと、腰への負担がより大きくなります。体圧分散と自然な寝返り。それらのポイントをクリアした寝具を選ぶことが、「腰を寝かせる」ために重要だと言えます。
睡眠中は、副交感神経が優位になることで深い眠りへ繋がっていきます。しかし、心的ストレスなどが原因で、交感神経が優位のままになると、睡眠の質の低下、筋肉の緊張、血行阻害、疲れが取れない、などの症状が生まれます。これらの要因が重なることも、腰痛の原因に繋がると言えるでしょう。睡眠は、日中の疲労回復のための重要な時間です。気持ちよく目覚め、明日も元気に活動するために、心身がリラックスできる環境を整えましょう。