共同研究
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共同研究の成果をご紹介します。
身体に合わせた敷き寝具が日中の疲労を軽減!科学的に実証
「身体に合わせた敷き寝具の睡眠の質改善と疲労軽減効果に関する試験」を行いました
「ただ眠る」のと「環境を整えて眠る」のでは、疲労回復に違いがあるのでしょうか?
眠りの役割はたくさんありますが、最も期待するのは、疲れた「こころ」と「からだ」を休めること(疲労の回復)。夜の睡眠の質が良くなれば、当日の疲れが取れると考えられます。疲れがスッキリと取れて、よい明日が迎えられるといいですね。
近年、主観的感覚であった「疲労」を客観的な数値として評価する方法ができました。この度、大阪市立大学大学院医学研究科の梶本修身特任教授と、「身体に合わせた敷き寝具」と同素材の「合わせていない敷き寝具」を使って、睡眠と疲労の関係を探る試験を実施しました。
■研究テーマ
正しい寝姿勢での睡眠は、睡眠の質を改善するのか?
正しい寝姿勢とは?■試験の概要
試験対象者
- 健常な成人男女18名(男性12名、女性6名)30歳~65歳
試験製品
- (A)身体に合わせた敷き寝具(オーダーメイドマットレス&オーダーメイドまくら
(B)対照寝具=合わせていない敷き寝具(ウレタンフォームマットレス&2層まくら(パイプ/ウレタンフォーム)
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※オーダーメイドマットレスは、対象者のからだに合った沈み込みになるように、大キューブ、中キューブ、小キューブを組み合わせて作成したもの
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※オーダーメイド枕は、6つのブロックに分け、各ブロックの詰めものの量を対象者に合わせて変えて、高さを調整したもの
※中材には、普通の硬さのパイプ(ソフトパイプミニ)を、ベース層にウレタンフォームを使用。
体に合わせた寝具
身体に合わせた敷き寝具は、「はかる」、「つくる」、「あわせる」の工程を経て、完成します。
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自然な立位姿勢を測ることで、マットレスに用いるキューブの組み合わせ、まくらの各ブロックの高さが決まります。
立ったままで立位測定器を使って身体のライン(凹凸)を、身体の後ろ(背面・仰向き用)と横(側面・横向き用)の2方向から測ります。
マットレスは、3種類の立体ウレタンキューブを10㎝単位で配列します。
まくらは、6つのブロックに適した高さになるよう中材を入れます。
測定データから体型を判断し、マットレスは体圧が分散されるように立体ウレタンを組み合わせることで、まくらは仰向き寝、横向き寝に適した高さになるように中材を入れることで、身体に負担がかからない寝姿勢を作ります。
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腰など重い部分には硬めのキューブを用いて沈み込みすぎるのを防ぎ、軽い部分にはほどよく沈み込む柔らかめのキューブを配置し、マットレス全体のウレタンは2層構造となっており、キューブの下のベース層で身体をしっかりと支えます。
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対象者ごとに、マットレスとまくらを組み合わせて、細かな調整を行ないます。
部分的に負担がかかっていないか、まくらは5㎜単位で細かな調整をして、理想的な寝姿勢が保てる敷き寝具を作ります。
※ウレタンフォームマットレスは、すべて大キューブで、沈み込みは均一
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※2層枕は、高さが一律
試験方法
- 1名の試験対象者につき、試験施設に3回宿泊、2回目、3回目を本試験。(1泊につき、睡眠時間は7時間。2回目、3回目の試料は被験者により順序が異なる、クロスオーバー試験)起床後、4時間のパソコンを用いた精神作業疲労負荷を行ない、作業30分後の測定で試験終了。
測定項目
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①自律神経機能評価
(起床後の精神作業疲労負荷前、精神作業疲労負荷中(2時間後)、精神作業疲労負荷終了時(4時間後)、休息30分後に測定)
②睡眠質問票(朝、起床時に測定)OSA睡眠質問票
③VAS(睡眠前後に測定)
■試験結果「身体に合わせた敷き寝具で眠ると、起床後、同じ作業をしても、疲労しにくい!」
①自律神経機能評価より
・自律神経機能評価とは?
自律神経は、呼吸や消化吸収、血液循環など、生きるための基盤となる機能を無意識下で調整する神経系で、自分の意志ではコントロールができません。自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。交感神経は、身体を活発に活動させるときに働く神経で、副交感神経は、身体がゆったりとしている時に働く神経です。交感神経と副交感神経はそれぞれ反対の働きをしながら、全身を支配しています。
この試験では、交感神経の働きを見るために低周波成分(LF:low frequency)を、副交感神経の働きを見るために高周波成分(HF:high frequency)を脈波から観察しました。(最大エントロピー法による解析方法)
◎HF%では、全成分中のHF(高周波成分)の割合を表しますので、副交感神経の働きがわかります。
疲労状態になると、HF%の値が下がり、副交感神経の割合が少なくなる=身体がゆったりしていないことを示します。
◎LF/HFでは、低周波成分(LF)と高周波成分(HF)の比率を表しますので、交感神経と副交感神経のバランスがわかります。疲労状態になると、LF/HFの値が上昇し、副交感神経が少なくなり、交感神経のバランスが高くなる=身体が緊張状態にあることを示します。
◎どちらの値も変わらないことが、疲れていないことを示します。
*睡眠をとった後、次の日の午前中に、精神作業疲労負荷を4時間行なった場合の、精神作業疲労負荷開始時、精神作業疲労負荷中(2時間後)、精神作業疲労負荷終了時(4時間後)、休息30分後に測定しました。
・精神作業疲労負荷2時間後、終了時(4時間後)と時間を経るごとに、対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)はHF%値が低くなり、疲労状態になっています。しかし、身体に合わせた敷き寝具群は、グラフがほとんど横ばい状態で、疲れが見られません。
・休息30分後も、身体に合わせた敷き寝具群は対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)よりHF%値が高くなっています。休憩後も疲れの程度が低いことがわかります。
・精神作業疲労負荷2時間後、終了時(4時間)と時間を経るごとに対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)は値が高くなり、疲労状態になっています。しかし、身体に合わせた敷き寝具群は、グラフがほとんど横ばい状態で、疲れが見られません。
・休息30分後も、身体に合わせた敷き寝具群は対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)より値が低くなっています。
休憩後も疲れの程度が低いことがわかります。
*身体に合わせた敷き寝具を使って眠った場合、翌朝の精神作業疲労負荷を行なう過程で、HF%、LH/HFの変化が抑えられ、同じ作業を行なっても疲労しにくいこと、休息をとった後でも、疲労の程度が低いことがわかりました。
①睡眠質問票より
・OSA睡眠質問票
睡眠外来などにも使用される一般的な睡眠質問票のひとつです。
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・身体に合わせた敷き寝具群は対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)と比べて、起床時の疲労回復具合が高いことがわかりました。
①VASより
・VAS(Visual Analogue Scale)
感覚の程度を数値化するもので、睡眠前と比べて、睡眠後の疲労感や肩こりが、どの程度減ったかを寝具の違いで比較します。
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・身体に合わせた敷き寝具群は対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)と比べてマイナスの値が大きく、睡眠前と比べて睡眠後(起床時)に疲労感が少なくなった値が大きいことがわかりました。
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・身体に合わせた敷き寝具群は対照寝具群(合わせていない敷き寝具群)と比べてマイナスの値が大きく、睡眠前と比べて睡眠後(起床時)の肩こりの感じ方が少なくなった値が大きいことがわかりました。
まとめ
身体に合わせた敷き寝具を用いて、正しい寝姿勢で眠ると、前日の疲労を回復することに加え、翌日の抗疲労効果が高い(疲れにくい)ことが確認された。
出典:アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学会雑誌 2015Vol.11 No.6
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