2024 睡眠白書 日本人の睡眠を大調査!

今回の調査では2018年から行っている「日本人の睡眠調査」の主要項目と昨年に引き続き、昼寝・仮眠に関する実態調査、美容・健康と睡眠に関する調査、さらに、パパママ・子どもの睡眠に関する調査などを新たに追加し調査しました。

結果、今回の調査でも約半数の全体の47.2%の人が「不眠症の可能性」という結果がでました。とりわけとりわけ20代~40代で「不眠症の可能性」がある人が5割以上と、他の年代と比べて「不眠症の疑いが高い」人が占める割合が高い傾向にあることがわかりました。20代~40代と働き盛りの睡眠改善の必要性が高いことがうかがえます。

また、厚生労働省より発表された「健康づくりの睡眠ガイド2023」の指針では、高齢者で床上時間が8時間以上にならないこと、成人で6~8時間、こども(小学生)で9~12時間、こども(中学・高校生)で8~10時間を適正な睡眠時間としています。

今回の調査では、平日と休日・祝日の睡眠時間を聴取し、ライフステージ別に比較しました。結果、高齢者・成人・こども(小学生~中学生)では、約半数~6割が平日・休日・祝日で適正な睡眠時間をとれている一方、平日の高校生は約8割が適正な睡眠時間をとれていないことが明らかとなりました。

今後も、よく眠り、より良い毎日を過ごしていくために、心身ストレスや体調などを考慮して睡眠の質を上げる必要があると考えます。

1万人の睡眠事情を調査した
睡眠の研究とは
「nishikawa睡眠白書 2024」

睡眠の基本調査

  • アテネ不眠尺度結果

    本調査では、世界保健機構(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠判定方法「アテネ不眠尺度」の質問に則り、10,000人に調査したところ、全体の47.2%の人が「不眠症の可能性」という結果となった。

    年代別では、昨年に引き続き、とりわけ20代~40代で「不眠症の可能性」がある人が5割以上と、他の年代と比べて「不眠症の疑いが高い」人が占める割合が高い傾向にあることが見てとれる。20代~40代と働き盛りの睡眠改善の必要性が高いことがうかがえる。

  • アテネ不眠尺度別

●アテネ不眠尺度

世界保健機構(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠判定法。8つの質問に対する回答を最大24点で数値化し、その点数により不眠症であるかの診断を行います。

質問「次に示す項目で過去1か月間に少なくとも週3回以上経験したものについて、チェックしてください。」

①寝つき ②中途覚醒 ③早朝起床 ④総睡眠時間 ⑤睡眠の質 ⑥日中の気分 ⑦日中の活動 ⑧日中の眠気
各選択肢の点数の合計を基に、不眠症であるかの診断を行います。

【2024年の診断基準】
0~5点 : 不眠症の可能性が低いです。
6~9点 : 軽度不眠症の可能性があります。
10~15点 : 中等度不眠症の可能性があります。
16~24点 : 重度不眠症の可能性があります。
  • 睡眠の質

    10,000人に対する睡眠の基本調査では、全体的な睡眠の質に対して「満足している」と答えたのは全体で34.5%であり、前年の30.5%を4ポイント上回った。

    年代別にみると、30代~40代で「満足している」が27%程と最も低く、働き盛り、子育て世代になると睡眠における満足度が相対的に下がる傾向がうかがえる。

    50代以降では、年代が上がるにつれて「満足している」の割合が高まる。一方、「非常に不満」は若い年代で相対的に高く、20代では11.2%と最も高い。

  • 質問:全体的な睡眠の質について、どう感じていますか。

ライフステージごとの睡眠実態

厚生労働省「健康づくりの睡眠ガイド2023」の指針では、ライフステージごと(成人、こども、高齢者)に適正な睡眠時間の確保が推奨され、高齢者は床上時間が8時間以上にならないこと、成人は6~8時間、小学生で9~12時間、中学・高校生)で8~10時間を適正な睡眠時間の目安としています。

今回の調査では、平日と休日・祝日の睡眠時間を聴取し、ライフステージ別に比較しました。高齢者・成人・こども(小学生~中学生)では、約半数~6割が平日・休日・祝日で適正な睡眠時間をとれている一方、平日の高校生は約8割が適正な睡眠時間をとれていないことが明らかとなりました。

【 適正な睡眠時間をとっている人の割合 】
  • 高齢者:平日61.5% 休日・祝日53.5%
  • 成人 :平日66.1% 休日・祝日58.7%
  • 小学生:平日61.5% 休日・祝日78.2%
  • 中学生:平日49.3% 休日・祝日62.0%
  • 高校生:平日21.9% 休日・祝日47.6%
ライフステージ別の平日の睡眠時間
ライフステージ別の休日・祝日の睡眠時間

昼寝・仮眠に関する実態調査

  • 昼寝・仮眠の有無

    自宅での昼寝・仮眠の有無は、昼寝・仮眠をとる人で55.8%と、とらない人の44.2%と比べて11.6ポイント高い。

    ビジネスパーソン以外に対する自宅以外での昼寝・仮眠の有無については、とる人は7.2%と、とらない人の92.8%と比べて85.6ポイントと大幅に低い。

    ビジネスパーソンに対する勤務先内外での昼寝・仮眠の有無については、勤務先内でとる人は21.3%と、とらない人の78.7%と比べて57.4ポイントと低い。また勤務先外でとる人は11.2%と、とらない人の88.8%と比べて77.6ポイントと大幅に低い。

  • 昼寝・仮眠の有無(自宅)

    【質問の回答者全体】
    昼寝・仮眠の有無(自宅)

    昼寝・仮眠の有無(自宅以外)

    【ビジネスパーソン以外ベース】
    昼寝・仮眠の有無(自宅以外)

    ビジネスパーソンの昼寝・仮眠の有無(勤務先内)

    【ビジネスパーソンベース】
    ビジネスパーソンの昼寝・仮眠の有無(勤務先内)

    ビジネスパーソンの昼寝・仮眠の有無(勤務先外)

    【ビジネスパーソンベース】
    ビジネスパーソンの昼寝・仮眠の有無(勤務先外)

美容・健康と睡眠に関する調査

  • 睡眠満足度と美意識の関係

    美容への関心度合い別にみると、美容に関心がある層(「非常に関心がある」、「関心がある」、「やや関心がある」)では「満足している」が27.0~32.0%である一方、関心がない層(「全く関心がない」、「関心がない」、「あまり関心がない」)の方が「満足している」が34.9~45.7%と比較的高い。美容に関心がある層では、関心がない層に比べて睡眠の質に不満がある傾向が見られた。

  • 睡眠満足度と美意識の関係

子育て世代と子供の睡眠実態調査

  • 子どもの睡眠実態
    就学児の睡眠時間(平日・休日)

    平日の睡眠時間は、小学生では「9時間台」(46.4%)、中学生では「8時間台」(35.6%)、高校生では「7時間台」(34.1%)が、それぞれの学齢で占める割合がもっとも多い睡眠時間となった。2022年調査と比べて、大きな変化はなかった。

    休日の睡眠時間は、小学生では「9時間台」(42.2%)、中学生では「9時間台」(28.7%)、高校生では「7時間台」(25.6%)が、それぞれの学齢で占める割合がもっとも多い睡眠時間となった。2022年調査と比べて、『8時間台』以上の割合が減少している。(92.1%→86.0%)

  • 平日 睡眠時間

    平日 睡眠時間

    休日 睡眠時間

    休日 睡眠時間
  • 親から見た子どもの睡眠満足度

    親から見た子どもの睡眠満足度を調査した。全体でみると、『満足・計』が52.9%で『不満足・計』を上回る。内訳では、「十分に満足」(16.6%)は2割弱。

    学齢別でみると、『満足・計』は小学校高学年(65.0%)で最も高く、中学生以降は学齢が上がるほど睡眠満足度が低くなる。

  • 親から見た子どもの睡眠満足度

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